AT車のNギア(ニュートラル)ってなんのためにあるの?使い道は?

AT車 ギア
みなさんこんにちは、自動車学校で指導員でもやっていた雰囲気のゆきちよです。( ゚Д゚)ノ

MT車 (マニュアル) に乗っている方は、おそらく仕事でやむなくか、自動車好きか、
もしくはMT教習生かというくらい少ないでしょう。

N (ニュートラル) ってよく使いますよね?

世の多くの方はAT車 (オートマチック) に乗っていると思いますが、
普段Nギアって使われますか?

なに?
「P」 と 「D」 のレンジしか使ったことがない?

なに!?
「N」 がなんのためにあるのかわからん?
きっとそんなドライバーが多いことでしょうから、
今日は 「N (ニュートラル) は何のためにあるのか?」 について解説していきます。( ゚Д゚)ノ




Nレンジの意味と役割

ニュートラル (neutral) の言葉の意味としては 「中立」 であり、
自動車のギアで言えばどのギアとも噛み合っていない状態の事。

Nの位置にレバーがある以上は、
エンジンで発生した動力は車輪に伝わることはなし。

前進と後退はもちろんできず、Pギア (パーキング) と違ってロックもしてくれません。

動力が伝わらない点では同じであるPギアとNの違いといえば、
この車輪をロックしてくれるかしてくれないかの違い。

Nレンジの存在価値を見出せない方が多数の事かと思いますが、
どの自動車にもNレンジがある以上は必要なものなのでしょう。

じゃあ、Nレンジって何をしてくれるの?( ゚Д゚)
っていう話になれば 「何もしてくれないレンジ」 なのです。

であれば、まったくの役立たずかと思われがちではありますが、
本当は使い時もさまざまありますよ。

教習所ではNレンジを 「いつ・なんのために・どうやって」 使うのか、
わざわざ教えてくれない場合が多いですから。

学科試験にも出題されませんし、技能教習中もまず使用しませんし。

僕はたまに教えてましたよ。
胸の高鳴りを感じた時だけですが。

では次に、ニュートラルの使い時を見ていきましょう。( ゚Д゚)

Nレンジの使い時

Nレンジを日常茶飯事的に使うことはありません。

え?使っている?
ダメじゃないですか。

そのダメな使い方は後から説明する事にしますが、
ニュートラルの基本的な用途は緊急時にあるのです。

自動車も機械なので故障というものがつきまといます。

近年の自動車機構は性能が格段に向上したものの、
エンジンだって壊れる時は壊れます。

そんな壊れた車両を道路上に置き去りにする事もできません。

業者にレッカーしてもらうか、他車に牽引 (けんいん) してもらう必要がありますよね。

そんな時、故障した車両のギアがパーキングギアに入っていたらどうです?

車輪がロックされて回転しない状態なので、
レッカーや牽引の際に引きずる (負荷がかかる) ことになります。

タイヤが回らないために引っ張る側の車は負担がかかり、
故障車もタイヤの偏摩耗も激しい事に。

PでなくともDであろうがRであろうが、
N以外はギアが噛み合い抵抗がかかっています。

その点、ニュートラルにしておけばタイヤは抵抗なく回転してくれますので、
レッカーや牽引の際にも楽々ですよ。

故障したのが踏切内だったら一番怖い!

レッカー車を待ったり牽引用ロープを結んでいる場合ですか?

緊急中の緊急です。

速やかにNレンジにした状態で、故障車を後方から押し出しましょう。

人力で動かせます。

1人で大変なら、2 ~ 3人でやれば楽勝で踏切内から脱出できます。

これをバカみたいにパーキングギアに入れでもしたら、
人力では動かすことはできません。

こんな感じで、緊急時 (故障時) に使用すべきなのがニュートラル様なのです。(人゚Д゚)

ダメなNレンジの使い方

ダメなニュートラル使用例を2つ挙げます。

『1 . 下り坂をニュートラル走行。』

バカとしか言いようがありません。

メリットが1つも見当たらない。

でも、メリットを感じる人はニュートラルで坂を惰性にまかせて下るんです。

どんな利点を感じてしまっているかとなれば、
燃費の向上を見込んでいるのでしょう。

おそらくNレンジだとエンジンの動力が伝わらないので、
ガソリンを使用していないと勘違いしているのかと。

Nレンジだとエンジンの動力は確かに車輪まで伝わりませんが、
動力が発生していることには変わりないのですよ。

【動力が発生している = エンジンが回転している = 燃料を使っている】

でしょう?( ゚Д゚)
Nレンジでもエンジンがかかっている状態なら常にアイドリング状態です。

『2 . ニュートラルで信号待ち。』

AT車 (オートマチック) 通常はDレンジのままフットブレーキを踏み込んで信号待ちをします。

どうしても足が疲れた時などは、サイドブレーキをかけてNレンジにする事で、
足休めをさせる事ももちろんOK!

しかし、それを毎回やるのはどうなんでしょう?

さきほど言った通り、Nレンジにしたところで燃費の向上はありませんからね?

そもそもAT車 (オートマチック) はMT車 (マニュアル) と違って、
頻繁にギアチェンジする事を前提とした構造ではありません。

D ⇒ N ⇒ D ⇒ N ⇒ D ⇒ N ⇒ D……

ギアを痛めますよ。

AT車にはATF (オートマチックフルード) という液体が使われており、
熱を持ったギア冷却がATFの働きの1つにあります。

ギアと接触するATFがギアの熱を保持した状態で、
オイルクーラーという場所へ運ばれた時に冷却される構造。

ATFによるギア冷却はニュートラルで行えず、
最悪ギアの焼き付きが発生してしまいます。

こうなってしまえば燃費の向上どころか、修理費が高くついて泣くだけ。




という感じなのですが、いかがだったでしょうか?

Nレンジの意義をなんとなくわかってもらえれば幸い。

間違っても下手な皮算用で燃費の向上をはかろうとしないように。(; ゚Д゚)

下り坂でのニュートラル走行も、燃費の向上がないどころか、
交通事故の危険を大いに含んでいます。

Nレンジだとエンジンブレーキがかかりませんので、
Dレンジだと本来発生する燃料カットという現象がNレンジでは発生しません。

燃料カットとは、名前のごとくエンジンに燃料を送らない (使用していない) 状態。

燃費がよさそうでしょ?( ゚Д゚)

ニュートラルだと常にアイドリングなので、
常に燃料を供給し続けエンジンは回転したまま。

燃費が悪そうでしょ?

そもそもエンジンブレーキを下り坂で効かせないとは何事?

その分フットブレーキを多用することになれば、
フェード現象、ベーパーロック現象が発生する危険性がありますよ。

あ、上記の現象を知らない方のために簡単に言うと、
フットブレーキが効きにくくなる、効かなくなる現象です。

燃費のために良かれと思ってやったことで、
ブレーキパッドやブレーキ液の交換で余計な出費がかさみます。

事故でも起こそうものなら本末転倒。

( ゚Д゚)つ
Twitterもやってますので、よければフォローでもしてやって下さい。
確かな興奮を覚えます。

こちらは↓我が先輩方がやっている愛知ペーパードライバースクールのツイッターアカウントです。
( ゚Д゚)つ

個人でやっているので自動車学校ではありませんが、
各地へ出張する形でペーパードライバー講習を受けられます。

東海地方にお住まいの免許所持者の方や、
その他気になる方も公式サイトと一緒にチェックしてみて下さい。( ゚Д゚)b

我らがT指導員とH指導員が正座待機しております。

ほんじゃあ、今日はこの辺でー。ノシ



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