技能教習に 「急ブレーキ」 っていう項目があるけど何するの?

ブレーキランプ00
みなさんこんにちは、現役教習指導員のゆきちよでおます。( ゚Д゚)ノ

本日のお題は 「技能教習項目にある急ブレーキ」 について解説していきましょう。

この項目は、技能教習第2段階項目11ですな。

項目の目標は 「速い速度からの急ブレーキによる停止及び危険の回避等ができるとともに、
道路形状にあった速度が選べる」
というもの。





目標の前半に書いてあるのは 「急ブレーキ」 の話で、
後半に書いてあるのは 「等速コーナリング」 の話。

以上2つのことをやります。

この項目11 「急ブレーキ」 は、あくまでも体験的なものです。

実車ではなく、シミュレーターを使用して行う自動車学校もあります。

それではまず 「急ブレーキ」 から順に説明していきましょう。

決して急ブレーキを踏む練習をするわけではありません。

30km/h、40km/hなど指定された速度から、指導員の合図とともに、
自動車を急停止させるための急ブレーキ操作をします。

いかに急ブレーキを踏むことが難しいことなのかを身を持って体験してもらい、
急ブレーキ時のABS作動を体感してもらうのです。

ABSというのは簡単に言うと、短い距離で自動車を停止させようと働く装置のことです。

通常のブレーキ操作時にはABSは作動しません。
ちょっと強く踏んだくらいでも作動しません。

鬼のように強力なブレーキを踏んだときにしか働きません。

ブレーキペダルをぶっ壊す勢いで踏まないといけないわけです。

しかし、これがなかなか踏めないのですよ、みなさん。( ゚Д゚)

思いっきりブレーキペダルを踏むことへの躊躇や、
自分では踏んでいるつもりになっているだけでぜんぜん急ブレーキではありません。

急ブレーキではなく、ただの強いブレーキ程度です。

いつも急ブレーキ後に、こんな風に教習生へ聞きます。

( ゚Д゚) < 「それが君の持ってる力すべてを振り絞ったブレーキなの?」

すると、たいてい 「いや、もっと強く踏めると思います。」 という答えが返ってきます。

じゃあもう1回やってみましょう!ともう1回やれば、
1回目のブレーキより2回目のほうが強いブレーキをかけてくれます。

( ゚Д゚) < 「もうそれ以上は無理?」

「いや、まだいけます。」 って…。
じゃあ最初からもっと踏まんかい!と三度目の正直ということで、もう一回。

3回目の急ブレーキと1回目のブレーキを比較すると、もう雲泥の差。

(僕の場合は) いつもこのように3回急ブレーキをやってもらいます。

交通事故になる直前に踏むべき急ブレーキは3回目のブレーキ、
もしくはそれ以上の踏力で急ブレーキをかけなければ間に合いません。

もちろん、交通事故直前にブレーキのやり直しなんてありませんからね。

いざというときに1回目のショボいブレーキを踏んでいてはいけません、という事です。( ゚Д゚)

最後に 「等速コーナリング」 について。

文字通り、同じ速度を保ったままカーブを曲がるということですが、
この時間に限っては安全ではない速度でコーナリング体験を行います。

通常カーブを曲がる前には減速をして、
自動車にかかる遠心力を少なくなるようにしてからカーブに進入しますな?

この時間には、いつも安全に曲がっているカーブをオーバースピードで曲がってもらい、
自動車や運転手にかかる遠心力の体感をしてもらいます。

たとえば、いつも20km/hほどで曲がっているカーブを、
30km/hで40km/hで曲がってもらいます。

遠心力は速度の2乗に比例して強くなります。

2倍の速度なら4倍の遠心力が、3倍の速度なら9倍の遠心力が…。
学科でもこんなことを習ったでしょう。

速度が少し違うだけでも、かかる遠心力は強くなります。

オーバースピードでカーブを曲がることでのデメリットは遠心力が強くなるだけではありません。

ハンドルを切るタイミングがかなり掴みづらくなったり、
周りの状況を見ている場合ではなくなったりします。

それらを体験しましょう、ということで 「等速コーナリング」 を行います。




というような感じなのですが、いかがだったでしょうか?

最初も言いましたが、あくまでも項目11は体験的な項目です。

運転練習ではありませんし、卒業検定の課題にもありません。

みきわめ基準にも含まれませんので、この時間にのみ行うだけです。

ためしに路上で…ってやっちゃダメですぞ。( ゚Д゚)

とくに急ブレーキなんて路上でやる機会がないほうが望ましい。

危険予測が足りない、漫然運転では急ブレーキをかける機会が増えてしまいます。

危険が予測される場所を通行するときには、
急ブレーキにならないようにあらかじめ減速しておけば良いだけの話です。

そこで減速を行ってしまえば、急ブレーキをかけざるを得ません。

急ブレーキをかけなくて済む運転が、安全運転です。

今日も一日安全運転を心掛けましょう。( ゚Д゚)ノ

ほんじゃあ、今日はこの辺でー。ノシ




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