交差点で右折する時に車体を中央に寄せるのは何故?


みなさんこんにちは、元教習指導員のゆきちよと申しまする。( ゚Д゚)ノ

本日のお題は 「交差点左折時に、自動車を車道左側に寄せる目的 (理由) 」 についてお話していきましょう。

右折時になんとか右に寄せようとはするものの、
対向車が気になってしまいなかなか右に寄り切れない。

そんな教習生やドライバーが多いという、そんな噂。





まず、道路交通法の第34条の2には以下のような定めがあります。


自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
<参考:http://www.takaragaike.co.jp/doukou/s0303b.htm>


文面には 「あらかじめ」 、 「できる限り」 という言葉が見受けられます。

「あらかじめ」 という言葉が表しているのは、急激な中央寄せや、
突発的な中央寄せは危険だからダメですよ、という事。

「できる限り」 とは言ってもなんでもかんでも中央に寄せればいいというものでもありません。

まず、何故右折の際には中央に寄る (右寄せにする) のかという目的からお話しましょう。( ゚Д゚)b

右折の時に対向から自動車、原付、自転車や歩行者が来ていれば待たなければなりません。

よく右折待ちなんて言いますな。

自分が右折待ちをしている最中にも、後続からはどんどん他の交通が押し寄せてきます。

もし自分が道路の中央に寄らず、左側方の間隔が狭かったらどうでしょう?

右折待ちをしている間はずっと後続の直進車両や左折車両は塞き止められてしまいます。

よって、右折待ちの間も後続車が自分の左側から抜けていけられるよう、
自分の自動車をできる限り中央寄りの状態にして左側を広くしなさいということです。

交通の流れを乱さないための中央寄せでございます。

できる限りと言っても、センターラインをはみだして対向車に迷惑をかけるような右寄せは必要ありません。

これが一車線道路なのか多車線道路なのかで、
どれくらい右に寄せるのかという議論になりがちです。

多車線あれば、極端に言えば右折レーン以外に直進、左折レーンが設けられていますから。

右寄りにしなくたって後続の直進車や左折車の妨害にはなりにくいかと思われます。

が、しかし!

道幅いっぱいの大型バスや大型トラック、トレーラーがいることをお忘れなく。

彼らにとっては多車線あったとしても、右折待ち車両が右に寄っていないと邪魔なのです。( ゚Д゚)

特に大型車は左折するときにリアオーバーハング (後部振り出し) が相当大きいので、
中央寄りにしていないと動きが制限されて左折出来ないこともあります。

これは大型車両に乗らないドライバーにはまったく想像がつかないお話ですが、
右折時に右寄りにしない自動車は意外といい迷惑なのですよ。

右折時の中央に寄る大きな理由は、後続車両への配慮という事なのですが、
それ以外にもメリットがあります。

自分が右折待ちしている時に対向でも右折待ち車両がいたらどうでしょう?

いつ対向の直進、左折車が途切れて右折が開始できるか?と様子をうかがいたいのに、
対向で右折待ち車両がいたら結構邪魔でしょう?

対向直進車たちが見えなくなってしまいますものね。( ゚Д゚)

「え?今って対向車ってまだ来てるの?」

「対向車が来なくなったと思ったのに、まだ来てた!」

「いつ右折できるのかがまったくわからん…!

みたいな。

そんな時には自分が右に寄れば寄っただけ、自分の目線や視野も右の方に行くので、
対向右折待ち車両の奥の方が見通しやすくなりますぜ。

逆を言えば、対向の右折待ち車両もこちら側の遠くを見ることができるので、
より円滑に相手の右折を促すこともできるので一石二鳥。

多車線であっても中央寄せはとても大事。

片側一車線しかない道路だったらそれこそ後続の交通のために、
より一層左側の間隔を空けるために中央寄りにした方が良いでしょう。

ただ、あきらかに道路幅が狭く、どれだけ頑張って中央寄りにしたとしても、
後続の車両が左側から抜けられないような道路なのであれば、
そんなにしっかり中央寄りにする必要はないでしょう。

どれだけ右に寄せたって、どうせ後続車は通れないのですから。

そんな狭い道路で右に寄せすぎて、対向から大型の自動車が来てみなさい。

逆に対向車が通れなくなってしまいます。




というような感じなのですが、いかだだったでしょうか?

左折で左寄りにするのとは違い、右折の時に右寄りにするのはとても簡単です。

 ⇒ ( ゚Д゚)つ 関連記事:交差点で左折する時に車体を左側に寄せるのは何故?

自動車の運転席が右側にあるので、左側に比べて死角が少ない分、
車両感覚的には把握がしやすいですから。( ゚Д゚)

しかし、右折の寄せは、後続車両のためという目的の他にも、
対向の自動車やどんな道路なのかで中央寄せの具合を変えなければなりません。

なんでもかんでも右折のたびに同じ右寄せ具合では意味がありません。

より安全で上手な運転手を目指すのなら、一辺倒な右寄せしかできないのは良くないでしょう。

自動車学校へ通っている短い間だけで、この状況に応じた右寄せをする事は難しいでしょう。

頭では理解していても、道路状況や対向車状況などは色々あります。

こればかりは、免許を取得してから運転の場数を踏んで、
経験則を多く積んでいくしかありません。

右折時の右寄せは車両感覚などの運転技量の他に、状況判断能力も求められます。

とりあえず、何のために右に寄せるのか?という事を意識して、
さぁ、今日からレッツ右寄り!( ゚Д゚)b

ちなみに、検定などの運転試験での採点基準で考えると、
右側に進路変更をしても0.5m (50cm) 以上の間隔を空けた状態だと減点。

減点されるから右寄せにしなさい、という話ではありませんが。

まぁ参考までに。

ついでに右折待ちの仕方について解説した記事もありますので、
よければあわせてお読み頂ければ。( ゚Д゚)ノ

 ⇒ ( ゚Д゚)つ 関連記事:みんな間違いだらけ!信号交差点での正しい右折待ちの方法はこれ。

ほんじゃあ、今日はこの辺でー。ノシ



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