「エンジンブレーキ」って何?今さら聞けない使い方!


みなさんこんにちは、現役教習指導員のゆきちよと申します。( ゚Д゚)ノ

一般的に自動車、もちろんこの場合は自動車とはバイクも含むのですが、
エンジンブレーキというものがある事はご存知でしょうか?

なかなか教習生の中にもこのエンジンブレーキというものを理解していない方も多いですし、
むしろ運転免許を持っている人の中にも知らない方が…。(; ゚Д゚)

今さら他の人に聞けない事項でもありますし、
逆に誰かから 「エンジンブレーキって何?」 と聞かれたら答えられるでしょうか?

この機会にエンジンブレーキの事をよく知りましょう。





ブレーキという言葉はよく聞くかと思います。

一般的に 「ブレーキを使う」 という言葉が出てくると、
「フットブレーキペダルを踏む」 という認識があるかと思います。

間違いではありません。
ブレーキペダルを踏む事が 「ブレーキを使う」 という事です。

しかし、ブレーキと一口に言っても、自動車には3つのブレーキが存在します。

最初も言った通り、まず1つはフットブレーキ。

ブレーキペダルを踏む事によって作用するブレーキです。

2つめ、サイドブレーキやハンドブレーキと呼ばれるブレーキです。

駐車をする時や、坂道発進をする時なんかに使用した経験があると思います。

最後3つ目、これが問題のエンジンブレーキというものです。

たまに山道なんかで 【エンジンブレーキ併用】 【ブレーキパッドの過熱注意】 など、
「?」 な看板や標識を見かけませんか?

標識を見たはいいけども、エンジンブレーキとはなんだ?
どうやってかけるブレーキなんだ?と。( ゚Д゚)

さて、このエンジンブレーキは何をどうしたら作動するブレーキなのでしょう?

答えとしては、何もしないと作動するブレーキです。

簡潔に言い過ぎましたが、平坦な道路を自分が運転していると想像して下さい。

今から加速をしたいと思えばアクセルペダルを踏みますね?

ここでアクセルペダルを踏むのをやめてみましょう。

アクセルをゆるめた段階で出したスピードはどうなりますか?

アクセルOFFの状態で加速していきますか?
速度はキープされ続けますか?

どちらでもありませんね?

ゆるやかに失速していきます。

これがエンジンブレーキです。( ゚Д゚)b

エンジンブレーキなんて一丁前に名前がついている割には、
拍子抜けな使用方法です。

ブレーキをかけるためのフットブレーキ、ハンドブレーキのように、
エンジンブレーキをかけるための装置が個別で設けられているわけではありません。

エンジンブレーキという名前の通り、
エンジンの回転によって生じる副産物的なものがエンジンブレーキです。

アクセルペダルを踏めば、エンジンの回転速度が踏み込み具合によって高速になります。

逆にアクセルをゆるめるとこのエンジンの回転数が落ちます。

エンジンと最終的に繋がる場所はタイヤ。

エンジンの回転を速くすると、タイヤの回転が速くなり、結果として車速になります。

しかし、アクセルをゆるめてエンジンの回転が遅くなるその瞬間、
タイヤの回転速度はまだ速いままなのです。

つまりは、エンジンとタイヤとの回転速度に差がつきますので、
これが抵抗となってエンジンの低回転が高速回転のタイヤを制御します。

主としてのエンジンブレーキの説明は以上ですが、
さらに覚えておいた方がよい事も今から説明します。( ゚Д゚)b

エンジンブレーキがかかるには条件があります。

逆に言うとエンジンブレーキがかからない事もあるという事で、
走行中にギアをN (ニュートラル) にするとエンジンブレーキがかかりません。

エンジンブレーキはエンジンの回転とタイヤの回転の差によってかかる制動。

つまり、Nギアにしてしまうとエンジンとタイヤが分離されてしまうため、
抵抗がかからない状態になってしまいます。

ニュースの事故報道でも 「下り坂を走行中にNギアに入れていた」 なんていう事を聞きますよね?

Nギアでくだりざかを下る、というのはボールを坂道で転がした状態です。

エンジンの回転でタイヤを制御していませんので、
円形のタイヤは惰性で転がり続け、速度が増していきます。

【エンジンブレーキ併用】 という標識が意味するのは、
「アクセルを踏むな」 「ニュートラルギアにするな」 という事です。

もちろん、下り坂であっても今出ている速度次第では、
目的の速度まで持っていくための多少のアクセルを踏む必要はあったりしますが。

下り坂では勝手に速度が上がりますから危険だという事は、想像がつきますよね?( ゚Д゚)

であれば、速度が上がり続けるのも容易に想像できますが、
そこで当然ブレーキが必要になってくるわけです。

エンジンブレーキを併用するように、というのはフットブレーキの使用頻度を下げて下さい、という事です。

長い下り坂でフットブレーキでの制動を多く続けると、
フェード現象、ベーパーロック現象というものが発生する可能性があります。

現象についての細かい説明はいずれ出来たらと思いますが、
簡単に言うとフットブレーキの性能が発揮できない状態に陥るのです。

下り坂で速度が速くなってきた時に、フットブレーキを踏む、と。

「あれ?ブレーキを踏んでいるのにブレーキが効かないぞ?」 と。

困りませんか?

減速したいのに減速できない。

停止したいのに停止できない。

事故になりますよね。

なので、エンジンブレーキによってゆるやかにでも速度制御をしていれば、
フットブレーキの使用頻度も必然的に減りますよね。

これによって交通事故の防止を図るわけです。




というような感じなのですが、みなさんいかがだったでしょうか?

エンジンブレーキの使用方法、メリット、使い時、
こういったものも理解して運転するとなお安全運転へと繋がります。

さらに言えば、通常D (ドライブ) ギアで走行しているかと思いますが、
Dより2、1というギア、またはS (セカンド) 、L (ロー) ギアの方がより順番に強力なエンジンブレーキを得られます。

坂道の勾配がきつければきつい程、よりエンジンブレーキも強くした方がよいという事です。

今の話はAT (オートマチック) 車の話になってしまいますが、
MT (マニュアル) 車だったら5 ⇒ 4 ⇒ 3 ⇒ 2 ⇒ 1という順で強くなります。

というのは、ギアというのは歯車ですから、
より円周の大きなギアの方が一周の回転にかける時間が長くなります。

要は低速ギアほど回転速度が遅いわけですな。

ギアの遅い回転に、無理やりタイヤの回転も遅くさせられる、と。

あ、ニュートラル時にはエンジンブレーキがかからないと言いましたが、
マニュアル車に関して言えばクラッチペダルを踏んでいてはエンジンブレーキがかかりません。

誤解の無いように言っておきますが、エンジンブレーキを使えばフットブレーキはいらないと言っているわけではありません。

もちろん、絶対にエンジンブレーキを使いなさいと言っているわけでもありません。

先ほども申した通り、使用するタイミングや効果を理解して、
使用できる場面では使用できるとより良いです、というお話です。

では今日も一日、安全運転で参りましょう。( ゚Д゚)b

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( ゚Д゚)つ

ほんじゃあ、今日はこの辺でー。ノシ



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